「船舶輻輳海域における小型漁船と一般船舶」

武田誠一(東京海洋大学海洋科学部)
<講演概要>
 操船と造船の立場から海上衝突のリスク回避を考えるとの内容で、講演が
スタートした。まず、漁船海難の統計データが提示され、衝突が海難の半数
以上を占めること、その原因の76%が見張り不十分であることが示された。
次に、商船と漁船の衝突回避に向けての取り組みとして、東京湾・伊勢湾周
辺の海運・水産関係者特に現場の船員・漁業従事者を対象として操船シミュ
レータを使って、互いに相手の立場からの航行体験を実施。その際の体験談、
アンケート調査結果が紹介された。このシミュレータによる航行体験が、大
型船と漁船のコミュニケーション、相互譲歩、相互理解(相手の立場、状況
の理解)、早めの意思表示の必要性を認識することに結びついたとのこと。
この活動が、輻輳する主要港湾内における安全な海域利用(共存共栄)のた
めに有効であるとの結論が示された。
☆発表資料