「天文測量から衛星航法へ」

堀江商会
小網 均

<講演概要>
 明治から始まった近代測量の体系は、経緯度原点で天文観測を
行うことから始まった。日本の骨格測量が天文測量によらず三角
測量方式を採用したのは、三角点の多くを山頂に設置して、「連
接点間の視通線を確保」しながら高精度の位置を求めることがで
きたからであった。その後、衛星航法の出現で「視通線の確保」
が不要になり任意地点の位置は、人工衛星の電波を受けることに
より高精度でリアルタイムの情報として簡単に求まる ようになっ
た。
 今回の発表は、1970年代の海外地図作成プロジェクトで写
真測量方式を採用して、低湿地帯に設置した基準点間を「視通線
の確保不要」の衛星航法を活用しながら測量した体験報告である。
 また、江戸時代末期に越中富山の新湊で活躍した偉人”石黒信
由”が 暦学と測量学を駆使して作成した「加越能三州郡分略絵図」
に習い、天文・衛星航法が持つ後方交会法の特性を利用して 「平
成の浪漫地図夢・越中加賀百万石姿形図(富山湾・能登半島)」
を作成したので紹介した。

☆発表資料