<講演概要>

 「ハイパードルフィン」は、深海における各種調査観測作業を
行うために海洋科学技術センターが導入した全長3m、空中重量
約3.8トンの無人探査機である。支援母船「なつしま」(1553トン)
と4000mにわたるアンビリカルケーブル(アーマードケーブル)
で繋がれており、最大深度3000mまで潜ることが可能である。
 「マニピュレーター」と呼ばれるアームの長さ1.53m、先端把
握力450sの"ロボットアーム"を2本装備しており、最大280s
の物を持ち上げることができる。また、観測用TVカメラとし
て世界で最初にハイビジョンTVカメラを搭載しており、従来
のTVカメラでは不鮮明であった映像が細部に渡って鮮明
に見えるため、これまで確認できなかった生物や岩石に対する
新たな発見につながると研究者から高い評価を得ている。
 これら装備機器を用いて、「なつしま」船上に搭載した操縦
コンテナからの遠隔操縦により、クラゲ類等の中深層生物の
観察や岩石等のサンプリングのほか、深海底における観測機器
の設置・回収作業等を実施している。オペレーションにおいては、
その正確なポジションを把握することは極めて重要なことであり、
調査ポイントに正確に潜航させるための音響航法システムが特に
重要になる。
 今回は「ハイパードルフィン」のオペレーションを中心に、
音響航法システムに関する概要を発表する。

ハイパードルフィン